この世界の片隅に 聖地巡礼 ロケ地ガイド (スマホ対応版)

 この世界の片隅に 聖地巡礼 ロケ地ガイド (スマホ対応版)

 広島県呉市が物語の舞台である映画「この世界の片隅に」のロケ地を紹介します。もう四年以上も前になりますが映画公開後、ロケ地探し(聖地巡礼)のため 2016年11/29、12/31 そして2017年5/3 と三回呉に足を運んでロケ地ガイドを作成。ただしスマホに未対応だったため、今回モバイルフレンドリーに作り直してスマホ対応としました。
 聖地に行ってみたいと思っている人も多い事でしょう。ロケ地巡りのお役に立てるように情報を出来るだけ分かりやすく紹介していきます。映画だけでまだ原作を未読の方は先に原作を読まれる事をお勧めします。共に見ていない人にはストーリーのネタバレとなるため注意が必要です。尚、ロケ地説明のために引用しています公式画像の著作権はすべて (C) こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会 にあります。

 最初に、呉はどこにあるの?どうやって行くの?という人はまず最初にネットや観光ガイド等を使って呉への行き方を自分で調べてみましょう。私は広島市に住んでいますが、県外の人が広島まで来るための具体的な交通手段としては飛行機、新幹線、深夜バス等になると思います。片渕監督は何度も深夜バスで広島まで往復されたそうですが、朝着いて夜に出発するため時間はかなり有効に使えます。(肉体的には結構しんどいですが) 新幹線、飛行機、深夜バス、どの交通手段を使っても広島駅が起点(玄関口)となりますので広島駅から呉への行き方を説明します。
私も広島駅からJR呉線に乗りました。乗車運賃は510円です。(交通機関運賃は変更される可能性有り) JR呉線広島発時刻表
ちなみに車で行く事もできますが呉に着いてから車は邪魔になりますので呉駅周辺の有料駐車場に置かれる事をお勧めします。あくまで徒歩が基本です。呉行きの電車ではすずさんが嫁いだ時のように進行方向に向かって右側に座りましょうね。瀬戸内海がよく見えます。(もちろんトンネルもありますよ) ロケ地の回り方は色々とありますが一応私が回った順番で説明していきます。呉駅を起点・終点として徒歩中心で1日で回れるように作成しています。(ただし最後に説明の光明寺は除く) つまり1日休みがあれば深夜バスを使えば東京、名古屋、大阪、福岡などからロケ地巡りに来れるという事です。日帰りで回れる範囲のため灰ケ峰巡洋艦青葉終焉之地、及び広島市内のロケ地に関しては説明から外していますのでどうかご了承願います。

<重要> 聖地巡礼では恐らく一番人気になるであろう北條家がある上長之木地区は特に山奥という訳ではないですがトイレもコンビニも駐車場も何もありません。つまり観光地ではない一般の住宅地だという事です。そのため近隣住人の方に迷惑を掛ける事が無いようにお迎えする準備ができるまでは申し訳ありませんが「この世界の片隅に聖地巡礼ロケ地ガイド」ではロケ地情報の紹介を控えさせていただきます。
私は幸運にも権利者の許可を得て北條家や段々畑など見て回る事ができました。本当はロケ地の素晴らしさを共有したい気持ちで一杯なんですが片渕監督ともこの件ではお話をさせていただいて掲載を見送る事にしました。どうかご理解ください。尚、勘違いされると困りますので述べますが、広島や呉への聖地巡礼(ロケ地巡り)を自粛してくださいという事では決してありません。あくまで「辰川バス停より北側」のみをご配慮くださいという事です。公式ロケ地マップに掲載されている場所はもちろん常にウェルカム状態です!

<最新情報> 2016年から長い間訪問の自粛を求められていた辰川バス停より北側の地域ですが、2020年春に北條家のロケ地が すずさん家(がた) として整備されて一般公開されました。
呉観光協会リンク  スマホ版リンク
2019年12月20日には「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」も上映されていますので、このロケ地ガイドで紹介していない追加されたロケ地とすずさん家の情報を紹介した新たなロケ地ガイドを作成しました。詳しい内容は以下リンク先ページをご覧ください。
 この世界の (さらにいくつもの) 片隅に 聖地巡礼 ロケ地ガイド

 JR呉駅/くれ観光情報プラザ

 JR広島駅から快速電車に乗り33分程で呉駅に到着。上は映画に登場した呉駅の画像で、次の写真は現在の呉駅の外観。駅前(北側)からバスに乗ります。バスは平日30分間隔(土日祝は40分)。 発車までに時間の余裕があれば「くれ観光情報プラザ」でロケーションマップを貰いましょう。Googleマップ

 くれ観光情報プラザの入口写真です。この世界の片隅に のロケ地情報や呉の観光情報などについてもスタッフのお姉さんが親切に説明をしてくれます。駅の南側(海側)にありますので駅改札を出てから右方向(大和ミュージアム方向)に進んでください。トイレも出発前に済ませておきましょう。

 バスの時間に合わせて駅前北側(山側)のバスターミナルに戻ります。バスは辰川線(31系統)でバス停番号は9番。写真のすずさんも順番に並んでますね。広電バス辰川方面路線案内 辰川線の路線図&時刻表は左のリンク先で確認してください。(辰川行きと帰りの呉行きではコースが微妙に異なっています。)バスの後ろのドアから整理券を取ってから乗って、バスを降りる時にお金を払います。降りるのは終点の辰川で料金は170円。所要時間は約13分程です。途中で映画に登場した蔵本通り(消防署跡)や小春橋の横を通って北方向に進み、道路が段々と狭く坂道になってきて終点の辰川バス停に到着します。

辰川バス停

 それでは辰川バス停から徒歩によるロケ地巡りのスタートです。上の画像4枚は辰川バス停でのシーンを写したもので上二枚が映画のシーン(アングル違い) 下側は原作での画像と私が写した写真になります。すずさんのお嫁入りでの辰川バス停でのシーンですね。
辰川バス停 Googleマップ
 原作では今現在の姿とそんなに変わらない感じですが、映画では乗車券の販売所もあって今とは雰囲気が違います。背後の家やブロックは同じ感じですが。尚、最初に説明しておかなければいけませんが聖地(ロケ地)はこうの先生の原作のみ登場、片渕監督の映画のみ登場、そして両方に登場した場所とあります。両方に登場した場所でも監督は特に史実のリアルなディティールにこだわっていますので、原作とはまったく異なった場所となっている場合も多いですね。
ロケ地についての説明文だけでは実際に回られる時に各ロケ地の位置関係が分かりにくいと思いますので呉のロケ地全体図も作成しました。
「この世界の片隅に」聖地巡礼マップ 同時にご覧になって参考にしてください。

辰川配給所

 次の聖地はバス停からすぐ北側にある辰川配給所です。片渕監督から「辰川バス停より北側の住宅地には行かないように」と言われていますが辰川バス停北側のすぐ見える場所にあるのでついでに説明しておきます。上記した辰川バス停の画像上段2枚左側に写る乗車券販売所の後ろ側に建っている木造の建物が辰川配給所です。現在は駐車場となっており残念ながら配給所は既にありません。それではどうやってロケ地だと確認をするのでしょうか?上二枚画像を比べて配給所の左側(北側)にある家、及び壁を良く見てください。屋根のすぐ下の部分を見ると同じデザイン(作り)になっているのが分かると思います。さすが監督、良い仕事してますね!
 尚、北側と説明しましたが厳密には呉市は正確に東西南北の方角が合っている訳ではなく、灰ケ峰がある方向は正確には北ではなく北北東の方角です。説明しやすいように便宜上東西南北を使いますのでご了承ください。少し東に曲がっていると思えば間違いないです。

上長之木隣保館

 辰川バス停から南に向けて下がっていきます。バス停からバスが下って行った道を約70m南に向けて歩きます。最初の十字路を左折して東方向へ。ここから急な上り坂なので がんばって!坂を上りきったら突き当りを右折して南方向に約50m程坂を下ります。左側に畝原町自治会館があります。Googleマップ 経路リンク ここは上長之木隣保館のモデルになった場所です。隣保館の建物は現在の自治会館のデザインをモデルに作られているのが分かります。道路向かいにある家の塀も同じようなレンガ作りになっていますし、この写真には写っていない北側にある家もしっかり描かれています。

20年2月 急な下り坂

 上長之木隣保館から南に坂を下るとすぐに十字路がありますので右側(西側)に曲がってください。この先は物凄く急な下り坂になってます。この場所は原作の中巻第25回「20年2月」で雪の日にすずさんが朝日遊廓に向かう時に下っていった場所。Googleマップ 経路リンク
この場所は映画には登場していません。実際に朝日遊廓に行くにはこの坂道を通ると遠回りになってしまうため、史実はもちろんの事 実際の位置関係にもこだわる監督に映画での登場は却下されたのだと思います。(十字路を曲がらずにまっすぐ南に下ったほうが近い。)それではジェットコースター級の坂を下って行きましょう。十字路に出ますので左(南)方向へ。この道路は広電バスが走っています。ただし道が狭くて一方通行のため辰川バス停から呉駅に向かうバスが通る道路です。最初に来る時に通ったバス道路ではありません。

下長之木国民学校

 急坂を下った後、バス道路を南に向けて約150m程下ると右側に下長之木国民学校のモデルとなった辰川小学校の跡地に到着します。原作では上巻第9回「19年5月」で登場しました。すずさんは足の悪いお義母さん(サン)を国民学校で開かれる講演会に連れて行くために自転車に乗せて押して歩いて行きました。映画では径子さんと晴美ちゃんが下関に行く時に校庭でラジオ体操をやっている国民学校の前をすずさんと三人で通りました。(左上画像) Googleマップ 経路リンク
 辰川小学校は2008年に統廃合され今では住宅地になっています。右上画像を見るとグランドがあった場所に建売住宅がありますが、映画にも出てきた壁や門柱などは残されています。門柱が写った別画像

辰川i医院

 それでは辰川小学校の跡地からつぎのロケ地に進みます。南に下り最初の十字路を右折して西方向へ。そして小さな橋を渡ります。
左側に「二十年水害死亡者之塔」があります。この呉市に大きな被害をもたらした枕崎台風は原作下巻第40回「20年9月」で登場。次のロケ地はこの場所から細い路地を南に約30mほど下った場所。Googleマップ 経路リンク(経路リンクは塔の前までです)

 原作中巻第16回「19年9月」で登場した、すずさんが妊娠検査に行った辰川i医院のモデルである六川醫院の跡地で映画にも登場。上4枚の画像の内、上段が原作での画像と取り壊し前の六川醫院の外観。(醫院は医院の旧字体) 下段が映画での画像、そして現在の様子です。病院と手前側の家の両方が今では取り壊されて更地になっています。一番奥の家だけは残っていますが、聖地である貴重な建物が消えてなくなる事は非常に残念ですね。

 この世界の片隅に が上映される数年前に取り壊された聖地は他にもあります。物語の舞台である北條家、すずさんが野草を摘むシーンの家。そして辰川医院のモデル六川醫院。すべて映画の製作が始まった時点では存在していましたが悲しい事に今では更地になっています。(涙)

三ツ蔵

 辰川医院跡地(塔の前)から次の聖地である三ツ蔵に向かいます。三ツ蔵は呉の有名な観光スポットであり原作・映画共に何度も登場しました。距離は二十年水害死亡者之塔の前から約650mです。Googleマップ 経路リンク 「この世界の片隅に」聖地巡礼マップ
ちなみにこの経路リンクは医院跡地から三ツ蔵へ行く場合の一番分かりやすい道を紹介しています。すずさんが歩いた道ではありません。
尚、呉駅から直接三ツ蔵まで行きたい場合の順路ですが、徒歩では約1.9kmでロケ地でもある蔵本通り経由がお勧めです。経路リンク
バスを使う場合には広電バス辰川線(31系統)、又は広電バス長の木長迫線[右回り](32系統)が便利です。経路リンク
辰川線では明神橋下車 経路リンク
長の木長迫線[右回り]では東中央4丁目下車 経路リンク 長の木長迫線路線案内
 三ツ蔵から下(南)の聖地は空襲で多くが焼けてしまっていて実はほぼ何も残っていない状態。果たして何も無い場所に行きたいかどうか?そのため焼けた跡地には興味が無い場合には広電バスで呉駅まで戻って、そこから下士官兵集会所まで歩いて行かれる事をお勧めします。バスに乗って呉駅に戻りたい場合は行きと同じく広電バスの辰川線(31系統)を利用してください。バス停は郷町か次の明神橋が近いです。郷町バス停には三ツ蔵から西方向に約5~6分程度。経路リンク
バス停近くにはセブンイレブンとガストがあるので休憩もできます。次の明神町は南西方向にやはり5~6分程度。経路リンク *明神橋バス停は辰川方面行きへのバス停と場所が異なるため注意が必要。値段は170円。辰川線呉駅方面路線案内 呉駅方面の辰川線路線図&時刻表は左のリンク先で確認してください。
 このまま続けて聖地を回りたいという人はとりあえず三ツ蔵から南に約3分程歩いて「分かれ道」まで行ってください。経路リンク
途中で公園(胡町公園)の前を通りますがここには公衆便所があります。三ツ蔵から南は平地で普通にコンビニや飲食店があるので安心。分かれ道とは呉駅方面(南側)から北方向を見て上長之木と朝日遊廓への分かれ道の場所という意味です。(ここは映画のロケ地ではありません)広島県信用組合呉支店とペコショップ(クリーニング屋さん)があります。そしてこの場所でこの後の選択をしなければいけません。朝日遊廓に行くか行かないかを。何も残っていない朝日遊廓跡に行く場合は次の説明を読んでください。行かない場合は飛ばしましょう。

朝日遊廓跡

 では朝日遊廓の説明に入ります。この場所の特定は苦労しました。第1回この世界(セカ)探検隊 の中で片渕監督が分かれ道の前を通る時に「上長之木と朝日遊廓への分かれ道」と説明されています(1:55分頃)。しかしこの場所に関しては疑問がありました。分かれ道を右に進むと遊廓の表門に着きます。しかしすずさんは映画では裏門から遊廓の中に入っていきます! 表門へは分かれ道からまっすぐ歩くだけですが、裏門から入るためには何度も道を曲がる必要があって大変です。しかもいくらすずさんでも今通ったばかりの道を単に逆戻りするだけが分からないとはさすがに考えにくい? つまり闇市からの帰りに 分かれ道 は通っておらず、原作から内容が変更されたのだと確信しました。原作は実際の位置関係についてまでは考慮せずに書かれているため、ルート変更はディティールにこだわる監督が下した当然の結果だと容易に想像ができます。

 それではすずさんはどのように歩いたのでしょう? この世界の片隅に 劇場アニメ絵コンテ集 を見ると309ページに「東雲町の道を歩く」と大きなヒントがありました。しかし東雲町がどこにあるのか調べてもまったく分かりません。「ほいで東雲町ってどこね?いったい!」もうすずさんの気分です。(苦笑) そして この世界の片隅に 公式アートブック の87ページの地図を見てやっと正解が分かったのでした。本通りと並行して一本西側を走る道路がある場所が東雲町だと。この道路は泉場から遊廓裏門まで曲がらず一本道です。(昔は遊廓まで電車が走っていました。)
 砂糖の値段のあまりの高さに興奮状態で歩くすずさん。遊廓の裏門に気付いて何気なく左に曲がる。東京楼の前で「ほいでここはどこね? いったい!」と叫ぶ。そしてリンさんに表門まで送ってもらい、郵便局前を通ってやっと分かれ道に到着。これで間違いないと思います。

 ロケ地の説明をします。本当はすずさんと同じように歩くには、一旦 泉場まで行ってから朝日遊廓に向かう必要があってかなり時間の無駄になります。そのためすずさんが歩いた順路の逆方向に進む事をお勧めします。「じぇじぇじぇのぎょぎょぎょ逆回転」といった感じでしょうか?? 各ロケ地の位置と経路をGoogleマップにリンクしていますが位置関係を見てもらうためちょっと古い航空写真(1963年)もリンクしておきます。
上段写真の最初が分かれ道、次が分かれ道を遊廓方面に向かうと近くにあるポスト。よく見ると分かれ道の写真にもポストが小さく写っています。このポストの前に当時は郵便局がありました。ここからまっすぐ三つ目の交差点を過ぎるまで約190m程歩きます。
Googleマップ 経路リンク

 二段目の画像の場所に朝日遊廓表門があって当時は表門の前(向かって右側)に沖田質店(現在は福島税理士事務所)、二軒手前には交番がありました。三段目の画像はすずさんに帰り道を教えるリンさんで、郵便局の方を指さしていますね。表門からすぐ先(25m程度)にある信号機がある交差点で角にはお寿司屋さん(寿司芳)。今現在は呉市医師会病院で朝日遊廓跡地の大部分を占めています。Googleマップ それでは交差点を右折します。四段目の画像では すずさんは電柱の前でしゃがんでます。現在の写真では道路の向こう側に呉市医師会病院の建物が見えます。Googleマップ 経路リンク

 画像と写真を比べても同じ場所かどうかの判断は非常に難しいですが、向こうに見えている山並みが一致している事は確認できると思います。すずさんの左斜め前に見えるのが東京楼本店でその真正面が東京楼支店。電信柱は東京楼支店の右隣(南南東)にある胡子楼の前にありました。そして東京楼本店と支店の北北西側には小さな川が流れていました。そうです、原作でテルちゃんが若い水兵さんと飛び込んだ堺川です。東京楼本店のはす向かいに二葉館があったという設定のため、二葉館の位置は川向こうの現在は道路がある辺りでしょうか。Googleマップ
 最後(五段目)は遊廓裏門が写っている画像。泉場の闇市から歩いてきたすずさんはここを左に曲がって朝日遊廓に入って行きました。
Googleマップ 経路リンク
過去と現在のまったく異なって見える同じ場所。しかし不思議な事に写真をずっと見ているともう同じ場所にしか見えなくなりませんか?交差点を写真左(南西)方向に進むと泉場の闇市方面に向かいます。すずさんが実際に歩いた逆に説明していますので注意してくださいね。

 尚、すずさんが遊廓から家に戻る時に歩いた分かれ道からの道順とまったく同じように歩きたい場合には以下のリンクを参考にしてください。呉市が発行した「すずさん家」への案内地図の迷子コースと同じ道順になります。Googleマップ

<追加情報> 「この世界の さらにいくつもの 片隅に」のロケ地ガイドを新たに作成しましたが、朝日遊廓について調べ直して上記の情報の一部に間違いがあった事が判明しました。実際には遊廓裏門は上記説明より約25m南方向(本通り側)に、すずさんがしゃがんでいた電柱前は約15m南方向(本通り側)が正しい情報になります。誤情報を掲載してしまい誠に申し訳ございませんでした。正しい情報の詳しい説明は新たに作成した「この世界の さらにいくつもの 片隅に」ロケ地ガイドで詳しく説明していますので是非ご覧くださいませ。

泉場の闇市

 続きまして泉場の闇市跡に向かいます。ここで逆回転は終了です。当時は遊廓裏門までまっすぐ一本道でしたが今では一部繋がってません。途中の今西通りを通過するには横断歩道もありませんので途中から並行して走る本通りを使って南下する必要があります。経路リンク
「分かれ道」から朝日遊廓を飛ばした人はこちらのリンクを利用して泉場の闇市跡地まで行ってくださいね。経路リンク
もちろん今現在の泉場には闇市はありません。写真中央にビルがあって西側の山は見えませんが山並みの合致はもちろん確認済みです。この辺りはラブホテルやスナックなどがあって、やはりそれなりの雰囲気(昭和?)を醸し出している街だなと感じました。Googleマップ

喜楽館と地球館

 泉場の闇市から中通り(現在れんが通り)に向かいましょう。最初の上段画像は映画館喜楽館があった場所です。Googleマップ 経路リンク
中巻第15回「19年9月」ですずさんと周作さんがデートで地球館の次にやって来た映画館。しかし水兵さんが多くこちらも入れませんでした。

 二段目の画像は映画館地球館で、跡地は今は駐車場になってます。最初にやって来て入れなかった映画館です。
Googleマップ 経路リンク
ちなみに原作のこのシーンでは映画館は地球館のみの登場で、喜楽館は映画のみに登場しています。

福屋百貨店呉支店

 福屋百貨店呉支店。中巻第27回「20年3月」で小学校に上がる晴美のために買い出しに行った百科店で、画像は中巻第15回「19年9月」で忘れ物をした周作さんに届けるため向かっているすずさん。場所は本通り七丁目でこのまま南下すると下士官兵集会所の前に出ます。右は現在の姿。今の道路は幅がかなり拡張されているので現在ある建物よりも福屋百貨店は道路中央寄りにあった筈です。
Googleマップ 地球館からの経路リンク
 尚、無料配布の呉市ロケ地マップでは喜楽館、地球館、福屋辺りの位置がごっちゃになってます。せっかく片渕監督がご厚意で製作されたマップにケチを付けるようで大変に心苦しかったんですが一応監督に直接お知らせしました。とりあえずお礼の返事をもらって安心したところです。[追記] 現在配布中の呉市ロケ地マップは改良版で既に間違いは修正されています。逆に間違えている初期版は価値があるかも?

「このセカ」案内所

 次の聖地に向かう途中の れんが通りにある「このセカ」案内所~聖地巡礼おもてなし処~を紹介します。Googleマップ 福屋からの経路リンク
ヤマトギャラリー零/街かど市民ギャラリー90の中にあります。開館時間:10:00~17:30 休館日:毎週火曜、年末年始等 公式HP
ロケ地マップの配布や、呉の各種情報の紹介や案内などをされています。前を通りますので休憩がてらに寄ってみては如何でしょうか?この場所はNPO法人くれ街復活ビジョンが運営されており、私が2016年11月29日に初めてロケ地探しに行った時に偶然にテレビの撮影に遭遇しその時に代表理事の大年健二さんとお会いしました。番組はテレビ朝日の報道ステーションで富川悠太さん、小川彩佳さんが居られましたね。

小松屋

 「このセカ」案内所~聖地巡礼おもてなし処~の次は、中巻第15回「19年9月」ですずさんと周作さんがデートで映画館に向かう途中に前を通った小松屋です。ここは原作には登場しておらず、映画でも一瞬の登場のためかなりマニアックなロケ地(聖地)と言えるでしょう。小松屋は明治23年創業の歴史ある洋品店で、右上写真では分かりにくいですが一番手前のシャッターに小松屋と書かれてあります。Googleマップ 経路リンク
現在は、すぐ近くのクレアル3Fで営業されています。(れんが通りのダイソーが入っているビル)

小春橋 / 堺橋

 小松屋洋品店の次は写真左上の小春橋。中巻第15回「19年9月」ですずさんと周作さんが映画をあきらめた後にやって来た場所。現在の橋は改修されているため昭和19年当時のデザインとは異なります。(原作では現在の欄干のデザインで描かれています。)左上の小春橋の写真は一つ北側にある五月橋から南に向け写しました。Googleマップ 経路リンク(経路は写真を写した五月橋まで)
 次の右上写真の橋は小春橋の南側にある堺橋。当時は橋のたもと(橋手前西側 上の写真では向かって右側)に鉄塔のある消防署があって下巻第35回「20年7月」ですみちゃんが将校さんと待ち合わせをした場所になります。Googleマップ

四ツ道路闇市

 それでは次は四ツ道路の闇市へ行きます。堺橋からは東に300m。すずさんと径子さんが占領軍にたばこの包み紙入り残飯雑炊を貰ったところ。下巻第42回「20年11月」で登場。この場所は現在駐車場となっています。泉場と違い雰囲気はまったく残ってません。Googleマップ 経路リンク
小春橋と堺橋は最初の辰川行きバスの車窓から見えるので福屋百貨店呉支店からまっすぐ本通りを南下しても大丈夫です。さらに続けて南下します。

下士官兵集会所

 四ツ道路の闇市から南へ約230m歩いて呉線の高架下をくぐります。画像リンク すぐ左前方にあるのが下士官兵集会所。(現在の青山クラブ)
上段の画像、中巻第15回「19年9月」で忘れ物をした周作さんに届けに行く時にすずさんがこの前を通りました。Googleマップ 経路リンク
三ツ蔵から途中を飛ばしてバスに乗って呉駅まで向かった場合には駅から南東方向へ約600mです。経路リンク

 二段目の画像、そのまま下士官兵集会所の建物の横を約20m程歩くとすずさんと周作さんが落ち合った場所になります。Googleマップ
「しみじみ にやにや しとるんじゃ!」ビシバシ! 三段目の画像はさらに60m程進んだ下士官兵集会所の南側の角。Googleマップ

海軍病院

 続きまして下士官兵集会所の南側角の交差点を左折して東方向へ突き当るまで直進します。すると正面に海軍病院へ上がる階段が見えます。下巻第32回「20年6月」ですずさんと晴美ちゃんが円太郎さんのお見舞いにやって来た時に登場しました。Googleマップ 経路リンク
下士官兵集会所前から約350m。途中には呉市立美術館や入船山記念館がありますので時間に余裕があれば是非立ち寄ってみてください。
ここまで続けて歩いたら足もかなり痛い事でしょう。普段運動不足の私は足の筋肉がひきつって大変でした。(苦笑)
ロケ地はもう少しだけ続きます。時間が無ければここから呉駅に戻るという選択肢もありますが最後までひと頑張りしましょう!

神原国民学校~防空壕

 下巻第32回「20年6月」ですずさんと晴美ちゃんが円太郎さんのお見舞いに行った帰りの海軍病院の階段下からのロケ地紹介です。「この世界の片隅に」聖地巡礼マップ こちらのリンクで すずさんと晴美ちゃんが歩いた順路を確認して同じように歩いてください。
晴美「あっち見てってええ?なんの船が居りんさったかお兄さんに教えてあげるん」
すず「えー見えるかね?」
晴美「ちいとだけ ちいとだけ ね?」

 海軍病院階段下から海はまったく見えないため少し高い所に行かなければならず、呉第二中学校(現在の呉宮原高校)の下を通って神原国民学校(現在の宮原小学校)の下まで歩いて行きました。Googleマップ 経路リンク 
尚、現在はこの二つの学校の下側を結ぶ道路がありますが、実は当時はまだこの道路は存在していませんでした。片渕監督が絵コンテ集の中で「この道はすずさん達の経路を短縮するために表現上でっちあげたものです」と説明してあります。そして神原国民学校の下で警戒警報が鳴り始める。今度は空襲警報のサイレンが・・。
 一段目の画像 公共防空壕を探しているとおばあちゃんが「おいでおいで」と手招き。Googleマップ 経路リンク
 二段目の画像 「あー今度はほんまに来よった」そして共同防空壕に入ります。Googleマップ 経路リンク

 映画では防空壕に入るのにおばあちゃんに連れられて画面手前の海側(北西側)から山側(南東側)に向けて歩いていますが実際には道路はつながっていないため、山側(南東側)から海側(北西側)に向けて歩かないと防空壕に入る事はできません。 この防空壕の場所、右側の家は同じですが左の石垣側がまったく異なります。現在では石垣など無く普通に家が建ってますから。監督が絵コンテ集の中で「実際と変えています。共同防空壕がある場所は石垣ではなくて、草が生えた土手だったのではないかと思います。」と説明してあります。今は家が建ってますがこの辺りは丘陵地で高低差があるため昔は土手だったという事でしょう。
<追加情報> 写真左側の壁が白いお宅にお住いの方から連絡が入りまして、防空壕も土手も無くて当時から家は有ったそうです。右側の家も現在実在しているためこの場所は実際には空襲の被害は受けていません。こちらも表現上でっちあげたもののようです。 <注意>「でっちあげ」と聞くと悪く聞こえますが、史実や位置関係にこだわり続ければどうしても矛盾が生まれてくる事はしょうがない事だと思います。何しろドキュメンタリーではなくて元が漫画なんですから・・。

 三段目の画像 防空壕を出て呉駅に戻るため来た道を戻る二人。Googleマップ 経路リンク
 一番下の画像 塀が一ヶ所崩れているのを見つけ駆けていく晴美そして・・・。Googleマップ 経路リンク
時限爆弾は今の写真では電柱の先辺りにあった事になります。6月22日にお花を手向ける人も出てくるのではないでしょうか?ここでサントラを聞くと絶対に泣く自信がある。というか もう泣いた・・。

歴史の見える丘

 事件爆弾の場所からのんちゃん写真集の表紙の場所はすぐ近くなのでついでに説明します。歴史の見える丘という呉湾が一望の観光スポットです。場所は約160m南に行った所で映画では三輪消防車が坂を下がってきた場所。歩道橋と大和の塔があるのですぐに分かります。
Googleマップ
 「この世界の片隅に」のロケ地で撮影されたと紹介されていたので、のんちゃん写真集も購入したんですが実際には情報は三ツ蔵だけでした。呉の色んな場所で撮影されていますのでこの写真集の撮影場所を回ってみるのも良いと思います。もちろん買って損はなかったですよ。ここから呉駅に戻るにはバスに乗って帰りましょう。歩道橋を渡って降りるとすぐバス停(子規句碑前)あり。170円
Googleマップ 経路リンク
 ここまですべて回って5時間位は掛かったと思います。慣れていない人だと休憩や食事も含めて8時間位見ておいた方が良いかも知れません。すべてではないですが呉の大半の聖地(ロケ地)は1日で回れます。かなり満足できる内容だと思いますがどうでしょうか?尚、ロケ地巡りに掛かる費用ですがバス呉駅・辰川170円、バス子規句碑前・呉駅170円、合計で340円です!(呉駅までの交通費は除く)

光明寺

 「この世界の片隅に」の聖地の説明もいよいよ最後となりました。すずさんやリンさんは人気ですが径子さんのファンの人は居られませんか?径子さんが勤めに行っていたお寺のロケ地です。呉市内にありますが上長之木町からはかなり遠く、JR呉線で呉駅から五つ目の安芸川尻駅が最寄駅です。実際にこんな遠くまで通勤していた訳ではなくて、こうの先生が自身の菩提寺の外観をモデルにされたそうです。(公式アートブック87ページ参照) 調べてみると簡単に菩提寺の情報がゲットできて川尻町東にある光明寺と判明。こうの先生と径子さんのファンの人は行くしかないかな?

 このお寺は中巻第20回「19年11月」に登場で、映画ではカットされていました。写真上が入口の山門で前にある3本の木は今は切り取られています。原作では本堂は小さく可愛いらしく描かれていますが本物は結構大きく立派でした。呉駅からの行き方をリンクしておきます。経路リンク
安芸川尻駅から約500mの距離で歩いて約7分程度。呉から広までは電車は多いですが、広から安芸川尻までは本数が非常に少ないので注意が必要。
 どうでしょう?ロケ地ガイドは聖地巡礼の参考になりそうですか?私はロケ地探しが趣味なんですが本業はアメリカ雑貨の通販の個人店をやってまして仕事が年中無休のため休んでロケ地巡りという訳にはいきません。そのためアメリカに買付けに行った時レンタカーで走ってロケ地を探していました。最下部のアメリカ雑貨ゴマちゃんTOPへのリンクからHPトップページに移動して一番下までスクロールするとアメリカ映画やドラマのロケ地情報を紹介してあります。
 E.T.とかバック・トゥ・ザ・フュ-チャーとかは何度も渡米してかなり気合を入れてロケ地を探しています。国内でのロケ地ガイドは今回が初めて。地元広島という事もありますが何よりもこの作品をとても気にいった事が一番ですね。そして多くの人に実際に呉まで行って聖地を回ってもらいたいです。
一部では聖地巡礼のマナーの悪さが話題になっていますが、車では行かない(辰川地区)、ゴミは捨てない等のルールを守って楽しんで来てください。

 「この世界の片隅に聖地巡礼ロケ地ガイド」の内容に関するご質問、お問い合わせ、感想などがありましたらメールでご連絡ください。
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 2021年05月更新 アメリカ雑貨ゴマちゃん店長 西岡 孝

この世界の片隅に

映画の公式サイトはこちらです。作品情報や劇場情報など。

この世界の(さらにいくつもの)片隅に ロケ地ガイド

新たに追加されたロケ地情報とすずさん家を紹介。

「この世界の片隅に」聖地巡礼ロケ地マップ

このロケ地マップも一緒に聖地巡礼の参考にしてください。

広島電鉄

呉のバス、広島の電車とバスの時刻表、路線図、料金などの情報。

中国JRバス

広島へのトイレ付き高速深夜バス。東京、愛知、大阪、福岡など。

広島空港

空の玄関口。広島、呉への直通リムジンバスあり。